こんにちは、シリコンバレー不動産です。
パンデミックの影響を受けて低迷していた米国のオフィス市場ですが、ようやく安定の兆しが見え始めています。賃貸活動の活発化、空室率の安定、新規供給の減少など、回復を示すデータが揃い始めました。専門家は来年後半の本格的な回復を予測しています。
今回は、米国オフィス市場の安定化を示す10のポイントを分かりやすくご紹介します。
1. オフィススペースを探す企業が増加中!
企業が新たなオフィススペースを探す動きが活発化しています。特にニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどの主要都市では、オフィス探しをする企業が増加し、賃貸市場が活況を呈しています。
2. 出社率が安定し、オフィス利用が増加
多くの企業でハイブリッドワークが定着し、全体の64%が「現在の出社状況は安定している」と回答。特に大企業では出社を推奨する動きが強まり、オフィスに活気が戻っています。
スペースの使用量も減少傾向が止まり、2024年を通じて1人あたりのスペースは約13.5㎡(146平方フィート)で安定しました。
3. 企業のオフィス拡大意欲が回復
調査によると、40%の企業が今後オフィススペースを拡大する可能性があると回答。オフィスの縮小傾向が弱まり、ポートフォリオ拡大を検討する企業が増えています。特に従業員1,000人以下の中小企業が拡大を主導しています。
4. 需要が供給を上回り、空室が減少
2024年の第2四半期以降、オフィス市場の需要が供給を上回る状況が見られています。特にマンハッタンでは、新規契約の増加によりオフィスの空室が減少傾向にあります。
5. 賃貸契約数が増加し、市場が活発化
今年に入り、オフィスの賃貸契約数は前年比4%増加。特に1万〜2万平方フィート小規模なオフィススペースの契約が増えており、フレキシブルな働き方に対応する動きが加速しています。
6. 平均賃貸面積の安定化
これまで縮小傾向だったオフィスの賃貸面積も、2024年の第2四半期以降は横ばいを維持。企業のオフィススペース戦略が安定しつつあります。契約面積は2四半期連続で増加し、現在の平均は約2,780㎡(29,875平方フィート)。
7. 空室率がピークを迎え、今後は減少傾向に
全米のオフィス市場では空室率が19%で安定。特にニューヨーク、ナッシュビル、マイアミなどの都市では、空室率の低下が確認されています。
8. サブリース(転貸)物件が減少
一時的に増加していたサブリース市場のオフィス供給量も、2023年後半以降は減少傾向。企業が自社のオフィススペースを有効活用する動きが広がっています。
9. 新規供給が減少し、市場のバランスが改善
新規オフィスの建設は2020年以降74%減少し、2025年にはさらに縮小する見込み。これにより、既存のオフィススペースの価値が上昇し、市場の需給バランスが整ってきています。
10. 古いオフィスビルの用途転換が進行中
低稼働のオフィスビルは、住宅やホテル、商業施設などへと用途転換されるケースが増加。市場に不要なオフィススペースが減ることで、供給過剰の問題が解消されつつあります。
今後の展望
市場の安定とともに、来年後半から本格的な回復が期待されます。特に中小企業の拡大意欲が高く、テナント需要の増加がさらなる活性化を促しそうです。一方で、新築物件の減少により、好立地のオフィススペースは今後さらに希少になる可能性があります。
参考記事:CBRE 10 Signs of U.S. Office Market Stabilization
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