こんにちは。シリコンバレー不動産です。
近年、カリフォルニア州では多くの家庭が住宅保険の契約を突然失う事態に直面しています。これには、保険会社がリスクを回避するための選択を行えるというカリフォルニア州法の仕組みが関係しています。本記事では、その背景と州が進めている新たな取り組みについて詳しく解説します。
保険会社の自由な選択権
カリフォルニア州では、保険会社に対し、保険を提供する地域や契約を結ぶ条件を自由に決定する権利が認められています。これは、保険会社が事業運営上のリスクを抑えるために必要な権利とされています。
しかし、この自由が過度に行使されることで、リスクが高い地域(山火事や地震リスクがある地域など)や物件が契約の対象外とされることが増えています。その結果、これまで長年保険料を支払い続けてきた顧客でも、突然契約を打ち切られるケースが多発しています。
なぜ住宅保険が解約されるのか?
自然災害リスクの増加が主な理由です。カリフォルニア州では、山火事や地震などの自然災害が頻発しており、保険会社のコストが増加しています。
カリフォルニア州では、ここ数年で山火事や地震、洪水といった自然災害が頻発しており、保険会社が被る損失額が急増しています。特に、山火事は近年の気候変動による影響で被害が拡大しており、保険会社にとって大きな負担となっています。
保険会社がこうしたリスクの高まりに対応するため、特定の地域や条件の保険契約を避ける動きが広がっています。その結果、山火事のリスクが高い地域や耐震性が低い住宅が優先的に契約の対象外とされ、多くの家庭が保険を失う原因となっています。
現状が引き起こす課題
例えば、東オークランドに住むマリアさんの例では、12年間利用してきた保険会社から突然契約を打ち切られる通知を受けましたとNBCベイエリアニュースで報道しています。彼女はこれまで遅れることなく保険料を支払ってきましたが、それでも「地震リスク」などを理由に保険契約を更新できなくなりました。
このようなケースが増加しており、多くの家庭が高額な保険料を支払う新しい契約を余儀なくされ、最悪の場合、家を失うリスクさえ抱えています。
州が提案する新しい対策
こうした状況を改善するために、カリフォルニア州は保険会社が契約を選ぶ自由を制限し、公平性を促進するための新しいルールを導入しようとしています。具体的には、次のような取り組みが検討されています:
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リスクの高い地域での保険契約を促進
州は、保険会社に対し、山火事リスクがある地域などでの契約提供を義務付ける条件を交渉しています。 -
新しい災害リスク評価モデルの導入
保険会社が最新の災害リスクモデルを利用してリスクを適切に評価し、より現実的な保険料を設定できるようにすることで、契約対象を拡大することを目指しています。 -
保険契約の透明性の向上
保険会社がどの地域でどのような契約を提供しているか、詳細なデータを公表することを義務付ける案が進められています。
日本からの赴任者が気をつけるべきこと
カリフォルニア州で住宅を借りるまたは購入する予定のある方は、保険契約の選択肢が限られている可能性があることを認識し、以下の点に注意する必要があります:
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保険の早めの手配
入居する前に、早めに保険専門家に相談して、契約可能な保険会社やプランを確認しましょう。
まとめ
カリフォルニア州の保険制度の現状は、多くの家庭にとって不安定な状況をもたらしています。山火事や地震などの自然災害が保険業界に与える影響は大きく、現状を改善するためには州政府や保険会社が協力してルールを再構築する必要があります。
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