シリコンバレーの不動産市場を支配するのは誰?(前編)

シリコンバレーを支配する大規模な土地所有者たち

こんにちは。シリコンバレー不動産です。

シリコンバレーは世界でも有数の不動産価格が高い地域として知られています。大手IT企業が数多く集まるこのエリアでは、不動産の所有者が地域経済や住宅事情にどのような影響を与えているのでしょうか?

Reveal Newsが主導する2019年に行われた調査プロジェクト「Who Owns Silicon Valley?」は、サンタクララ郡の50万件以上の不動産記録を分析し、シリコンバレーで最大の土地所有者を特定しました。数年前の調査ですが、とても面白い調査ですので、その調査結果をもとに、シリコンバレーの不動産市場を詳しく見ていきます。

主要な土地所有者

シリコンバレーで最大の土地所有者トップ10は、テクノロジー企業、不動産開発業者、そしてスタンフォード大学などが占めています。これら10のTOPプレイヤーは、郡内の課税対象不動産の11%以上、総額約592億ドルを所有しており、不動産市場に大きな影響を及ぼしています。

  • スタンフォード大学: 課税対象不動産の評価額は約197億ドルで、トップに君臨。大学周辺には多くの技術系企業が誕生しています。
  • Apple: 90億ドル相当の不動産を所有し、主にクパチーノに集中。
  • Google: 75億ドルで、マウンテンビューに大規模なオフィスを構える。
  • Cisco: 34億ドル相当の不動産を所有。
  • Intel: 25億ドル相当。

シリコンバレーにおける土地価値で見るトップ10の地主

Source: Analysis of Santa Clara County Assessor’s data for FY 2018. from Reveal https://revealnews.org/article/who-owns-silicon-valley/

不動産価格と住宅危機

大規模な土地所有者が積極的に住宅を建設すれば、地域の住宅不足を解消する可能性がありますが、現状はその逆となっています。特にスタンフォード大学が所有する広大な土地を見ると、その影響は大きいです。地域の重要なプレイヤーは、住宅供給や経済成長、社会的多様性の維持など、さまざまな面で地域社会に大きな影響を与えています。もし政策やコミュニティのニーズを無視すると、不均衡や社会的問題が生じる可能性があるため、バランスの取れたアプローチが必要です。

まとめ

大規模所有者が積極的に住宅を建設すれば、地域の住宅不足を緩和する可能性があります。特に高需要地域では、アフォーダブルハウジング(手頃な価格の住宅)を提供することで社会問題の一部を解決できます。

しかし、現時点では住宅価格や賃貸費用も高騰し、中産階級の家庭や長年住んでいる住民の生活が脅かされています。一部の家庭は、手頃な住居を求めて2時間以上の通勤を強いられる状況にあります。

次回のブログでは、シリコンバレーにおける不動産開発業者の役割と、地域の住宅危機解決への期待についてさらに詳しく解説します。

Revel2019 年の調査記事